こんにちは、こじろうです。
文系だけどSEになった、もしくはこれからなろうとしている人がまず注意すべきことは、「考える」という作業を通して、上司や同僚たちと認識合わせをする習慣をつけることです。
これをやらずに仕事に取り組むと、一生懸命作った資料やプログラムが全く評価されません。
といった思いをお持ちの方も多いと思います。
この記事では、ITコンサルへの転職を目指す文系SEの方々向けに、「考える」とはどういうことか、どんな職場でも汎用的に使える方法を紹介していきたいと思います。
【この記事でわかること】
- ITコンサルとして働く際の「考える」とは何か?
- 具体的に何をどうすれば「考える」ことができるようになるのか?
- 「考える」ことができるようになるとどんなメリットがあるのか?
「考える」=情報を表にすること
手に入れた情報を全てメモ帳等に書き出す。
例えば、以下のような指示を上司から受けたとします。
上司からの依頼:明日、河川敷でお花見するので、以下を買ってきてほしい!!
- -お酒
- ーさきイカ
- ー醤油
- ーエバラの焼き肉のたれ
- ー紙皿
- ーおせんべい
- ーサンドイッチ
- ー大丸ピーコックで売っているやきとり
- ービール
この指示を受け、あなたが買い物に出かけたとしましょう。
まず、
‘お酒とビールってあるけど、ビールだけでいいのか?お花見だから…日本酒とか?”とか、
“焼き肉のたれはエバラってメーカー指定があるけど、他のものはなんでもいいのかな??とか、
“おせんべいとかってめちゃくちゃ種類あるし、好みもかなり分かれそう…”といった具合に、買い物に出かけてから迷ってしまうと思います。
適当な買い物をしていくと「なんだよーセンスないなー」とか、「これじゃねーよ」とか、理不尽な文句を言ってくる人もいると思います。
こうした事態を避けるために、買い物をする前に、「考える」のです。
5W1Hに無理やり当てはめて表を作ってみる
聞き出した内容を紙に書き出し、表を書いてみましょう。
ご存じの通り、表は「縦軸」と「横軸」がありますね。
最初はどんなテーマでも良いので、2つテーマを決めて表にしてみましょう。
但し、テーマは必ず5W1Hから選んでください。
例えば、「what(何を買うか)」×「how (much)(値段)」。
値段について上司は何の指示もありませんでしたね。
確認せずに10,000円くらいする日本酒を買っていって、後から請求したら、おそらく怒られます。(敢えてそうする人もいそうですが。。)
何を買うか | 値段 |
お酒 | 一人ビール2~3本飲むとすると¥250×3(本)×人数=??? |
さきイカ | 人数にもよるけど、100均で売ってるやつを3~4袋? |
醤油 | 1本 |
エバラの焼き肉のたれ | 1本 |
紙皿 | 人数次第 |
おせんべい | 人数にもよるけど、100均で売ってるやつを3~4袋? |
サンドイッチ | 人数にもよるけど、コンビニのサンドウィッチなら3~4つ?だとすると¥200×4=¥800? |
大丸ピーコックで売っているやきとり | 人数にもよるけど、50本くらい?1本¥100とすると、¥100×50=¥5,000? |
ビール | 既に「お酒」のところで計算しているけど…どう考えたらよいか? |
2つの項目を軸にして表を書こうとすると、上司の依頼(指示)の中で漏れがあることが分かりますね。
そうです、参加人数について上司は何も教えてくれていないのです。
買い物に行く前に、「そもそも、お花見は何人参加されるんですか?」と、確認しましょう。
「何が分からないか」が分かるまで表を作り直し続ける
上の例では次に「what」×「how(much)」でしたが、「what」×「where」だったり、次に「what」×「when」だったりと、いくつも表を作ることができます。実際のお花見でここまでやる人はいないと思いますが、業務上の指示ではどうでしょう?
上司から何か仕入れの指示を受け金額や購入場所(購入先企業)、何も考えずに買い物に出かけて行ってしまったら…全く見当違いの商品を買ってしまう(仕入れてしまう)可能性が高かったのではないでしょうか。
また、作って貰った表の空欄を埋めていくと、軸の設定次第ではすんなり埋めることができてしまうことも有ります。
時々、非の打ち所の無い、漏れも不足もない完璧な支持を出してくる上司もいますが、大抵、抜け漏れがあります。
「あれ、これなんだっけ?一度、上司に確認しなきゃ…」という項目が出てくるまで表を書くことが、「考える」ことになります。面倒ですが、ここにこだわってやり切りことが、上司からの期待に応える(場合によっては超えることもできる)きっかけになります。
今回はまもなくシーズンインということで「お花見」を題材に”表を作って考える”を説明させて頂きましたが、実際のビジネスでも同じです。
見積もりの指示が来たら調達場所はどこなのか、予算感はいくらなのか、プログラム作成の指示であればどの言語・環境で作業をすればよいのか、レビュワーは誰にお願いすればいいのか。
表を書いて自分の作業を「考える」ことで不明点を早期に潰し、効率の良い作業を目指しましょう。
「考え」て仕事をし始めた僕の現在
他人の発言へ賛成・反論を自信と根拠を持って言える
表を作って考えることができるようになると、自分の頭の中だけでなく、他人の頭の中もスピーディーに理解できるようになります。
上記のお花見のお使いの例でも、ハッキリ言ってしまうと、そもそも指示を出した上司も自分が何を買ってきてほしいか、整理されていないんですよね。
だから”お酒、ビール”といった同じ指示を2回出してしまったり、もしくは混乱をきたすような指示を出してしまう。
他人の報告や意見を聞きながら表を作ってみてください。
そして、話の中での抜け漏れを指摘してみてください。
とても有意義な議論になるし、あなたの株も上がるでしょう。
会社で信用されるようになった
僕は新卒の時、最初はスポーツアナウンサーを目指していながらシステムエンジニアリング企業に入りました。
また、入社後もこっそり既卒でアナウンサー試験を受けていたので、「この会社で手に職をつけられたらいいな、でもテレビ局受かったら即、辞めよう」という、とてもとてもナメ腐った考えを持って日々過ごしていました。
だから、受ける指示も最初は上の空で、「お前は言われたことしかできない、じゃない。言われたこともできない。なんなの?」といった評価を受けていました。
上記のようなマインドと、初めて、しかもビジネスとして触れるプログラミングを前にして、地に足が着いていなかった時期でした。
その後、結局アナウンサーにはならず、外資系ITコンサルへ転職する訳ですが、ここでも最初の2年間、周りの地頭の良さと作業のスピード、コミットメント力(やると言ったら必ず期日までに仕上げる、つまり徹夜して頑張る力。。)に圧倒され、SEになりたて新入社員の頃と同じように怒られてばかりでした。
この「地に足が着かない」状態というのは、誰にでも起きえることだと思います。
そんな時、是非、表を作って考えてみてください。
「何が分からないか分かってくる」と、次に何をするべきか明らかになります。
そしてそれを行動に移すと、周りから「あいつは考えて動いている」「あいつに任せてみよう」という評価を、徐々に受けられるようになります。
SEをやっているときは毎日勘と勢いで動いていましたが、コンサル3年目辺りからこの考えることができるようになり、数か月後に念願の海外プロジェクトからオファーを受けることになります。
文系SEは、最初はプログラミングやシステム開発の経験が薄いため、どうしても理系や情報系学科、システムやプログラムを作ったことのある人たちからするとbehind startになりがちです。
だったら、別の部分で勝負しましょう。
幸運なことに、理系やシステム開発経験のある人ほど、自分のスキルに溺れて「考える」ことを疎かにしがちです。
むしろ、チャンスですよ。
それでは、Tchau◎
こじろう
※冒頭のイラストはちょこぴよさんによるイラストACからのイラストでした。