こんにちは、こじろうです。
ビジネスは持ちつ持たれつ、助け合いで成り立っています。
ITコンサルは、傍から見るとすごく優秀そうでなんでも一人でこなしてしまう、ように見えるときもありますが、実際は自分の作業を以下に取捨選択するか、それを実現するためのパートナーを探しています。
【この記事でわかること】
- ビジネスにおける交渉とは
- 具体的な方法
- 上記手順を実施した僕の現在
ビジネスにおける交渉とは?
何がどう出来たら「交渉力が高い」ってなるの?
ズバリ、以下二つです。
- 目的の情報や条件を取得できる(相手に譲歩させる)こと
- 自分だけの利益は手放しても、共通の利益は手放さないこと
では、どうやったら相手から譲歩を引き出せるのか?
どうすれば共通の利益を失わずに済むのか?
お伝えしていきたいと思います。
具体的な方法
利害を一致させる
何かお願いをするときに揉めてしまう時の最も多い原因は、お互いが「相手の利益を無視して」自分のお願いを発してしまう点にあります。
身内や親友でもない限り、忙しく仕事をしている中、突然「これおねがいします!」って言われると、どんなに些細な依頼でも拒絶したくなりますよね。場合によっては「忙しいんだから話しかけないでくれ!」みたいな場合もあります。
一方で、自分のお願いをもし相手が実現してくれたら、めぐり巡ってその人(もしくはチーム全体)にも利益がある、なんてパターンも多いと思います。
お互い、取りたい(守りたい)ものはそれぞれだが、Win-Winなパターンはあるはず。
この利害一致点(妥協点とも言えます)をまずは明確にしましょう。
以下、例として想定される交渉のやり取りを記します。
前提:先日のクライアントとの会議メモを書いているが、T先輩の発言が聞き取れず確認したい。(何を言っていたか教えてほしい)
今議事メモを書いていて、T先輩が仰っていた内容を書きそびれていたので教えてほしいんです。
マネジャー等のレビュー時間を考えると、今確認しないと今日中のクライアント側への提出が難しくて…
これ遅れちゃうのはチームとしてまずいと思うので、お願いできませんか?コメント
といった流れですね。
この場合、あなたのやりたいことは「必要なインプット情報をできるだけ早く取得する」で、利害一致点は「クライアントへタイムリーな情報提供をする」です。
間違っても「早く教えてください」なんて言ってはいけません。
感情的にならない、させない
会話が始まって、ちょっとした議論になることもあると思います。
議論には、負けてよいです。但し、交渉には勝ちましょう。
そこで大事になってくるのが、感情的にならない(させない)です。
以下、具体的に意識するポイントです。
- 承認する。
相手の話を途中で遮ったりせず、一旦、全て受け入れてください。これができると、相手は「論破してやった」感覚に陥りやすく、気分も高揚&雰囲気も良くなります。うまく乗せてあげるのです。 - 「質問」しているのか、「反論」しているのか明確に伝える。
一通り話を聞いたらこちらも要望を伝えるべく話すことになります。その際、相手が話した内容について確認する場面もあるでしょう。その際、質問しているのに、「反論されている!」と思わせてはいけません。「これは単純な質問なのですが…」という枕詞を添えて、質問するのもいいでしょう。 - 相手に考えさせる
「それって、〇〇ということですか?」と、相手の話している内容を別の言葉で表現してみてください。
自分の理解を深めるとともに、相手に「あ、間違ったこと言っているかも…」と、考えさせることが「けん制」となります。こちらの希望を言いやすい状況を意図的に作るのです。 - 常識観を共有する
自分達の要望の前提となる考え方について、敢えて「この考え方ってそんなにおかしくないですよね?」と、問いかけます。上記の「上司への会議における発言内容の確認依頼」であれば、「クライアントへの議事メモは、できるだけ早くおくるべき。(時間が空くと記載内容の正誤の確認ができなくなってしまうから)」が、「常識観」になります。
「〇〇って当然、考慮しなければならないと思うんです。で、そうなると、我々が先ほど申し上げた▲▲(お願いしたい内容)って、無視することはできないのですがいかがでしょうか?」といった流れですね。 - 相手のメリットを考えて質問し、危機感を与える
これは利害関係の一致点が明確になっていることが条件です。
上記の「上司への会議における発言内容の確認依頼」であれば、
「今、T先輩にお答えいただけないと、クライアントへの議事メモ送付が遅れてしまうのですが、それは問題ないという認識ですか?」といった流れですね。
自分が話している内容は、あなたにとっても悪い話ではない、更に言うと、「無視すると状況悪化しますよ」ということを暗に伝えます。 - 味方を作る
これは複数人での交渉の場合です。
基本、こういったやり取りはあなた:相手の1:1の状況になると思いますが、お互いの上司の方も同席されることがあると思います。
その際、相手の上司の方に「ですよね、〇〇さん?!」と訴えかけてしまうのです。
この時、同意されるかどうか微妙な内容で問いかけてはいけません。
こちらは間違ったことは言っていないのに、なかなか相手が首を縦に振らないときに使ってください。 - 譲歩案を提示する
ここまでやって同意できなければ、こちらがある程度譲歩するしかありません。
上記の「上司への会議における発言内容の確認依頼」であれば、仮にクライアントへの今日中の送付するには、3時間後までに各マネジャーへレビュー依頼を開始すれば良いとします。
その際、最初の依頼で「今すぐ教えて頂けないと間に合いません」と言っておきます。
そのお願いが受け入れられなかった際に、数分空けて「なんとかマネジャー陣にお願いして、2時間待ってもらうことができました。マネジャー陣にも迷惑かかるので、2時間後までにはお願いします。」とするのです。(実際にマネジャー一人に「2時間後にレビューおねがいします」と一言言っておきましょう)
あなたが頑張って下地を敷いて譲歩したように見えますが、クライアントへの期限内への議事メモ提示という最大の成果には何一つ傷はついていません。
この「下地を敷いてあげる」という作業が、相手に「なんか悪いことしたな…」と思わせ、譲歩や情報を引き出すきっかけになります。
明確な根拠・情報が揃っているときは、最初に意見を言って主導権を
自分の理論に明確な根拠や事実情報が揃っているなら、最初に「常識観の共有」をしてしまい、会話における「前提」を確立してしまいましょう。
これをアンカリングと言います。
これができると、上記で記載した「感情的にならない」の内容を、相手側が意識しなければならない時間が増え、交渉が非常に楽になります。
上記を実施した僕の現在
複数のシステム開発プロジェクトの並行してたマネジメントを任されるようになりました。
また、(これはあまり嬉しくはないのですが…)炎上プロジェクトの火消し役としてよく呼ばれるようになりました。
これにより同時期に様々な現場に参加するようになり、取得する情報量が格段に増え、意識的に勉強しなくても新しい知識がどんどん入ってくる状態になっています。
基本は、「あなたのために」精神
色々書きましたが、根底にあるのは「あなたのために、この話をしています」という精神です。
交渉に負けてはなりませんが、「自分だけ良ければいい」でも駄目なのです。
「一緒に勝っていきましょう!」という真っすぐな気持ちが根底にないと、「常識観の共有」あたりで「こいつ、何か企んでいるな」と思われ、破談してしまいます。
それでは、Tchao◎
こじろう
※冒頭の画像はカートマンさん@イラストACからの提供でした。