こんにちは、こじろうです。
別記事で伝送方式についてご紹介しました。
この記事では、文系SEの方々やITビギナーの方々向けに、データ伝送時に切っても切り離せない送信データの多重化について紹介していきたいと思います。
【この記事でわかること】
- 送信データの多重化とは何か?
- 具体的にはどんな仕組みなの?
- 多重化の知識ってどこで役立つの?
多重化の種類
波長分割方式
主に光通信で利用されています。
それぞれ波長の異なる光信号を複数同時に発信し、多重通信を実現します。
原則的に、光信号は電気信号などと異なり、波長の異なる信号は干渉し合わないという特性を持っているんですね。
この特性を活かして波長が異なる複数の光信号を一本の光ファイバ内で多重的に使用すれば、光ファイバ回線を増設せずにデータの伝送量を向上させることができるようになるのです。
時分割方式
こちらも主に光通信で利用されています。
【時間軸圧縮(ピンポン)UDPのフロー制御】
日本のISDNや128kbpsまでの専用線で使われている伝送方法で、上りと下りを交互に伝送する方法
このような伝送方法が考案されたのは、既存のアナログ回線に更に128bpsのISDN用信号を流すにあたり、元々の電話信号に妨害を与えてはならないという当然の理由からである。
参考:ピンポン伝送
符号分割方式
こちらは主に携帯電話の通話で利用されています。
我々の携帯から通話をしようとすると、まずそれぞれの携帯会社が津々浦々に設置した「基地局」に接続し、そこから通話先へ接続、通話が開始となります。一つの基地局には、3台の携帯電話が接続できるルールになっているのですが、その3台が同じ時間帯に接続すると、一つの回線に3人の音声データが入ってきますね。そうすると、基地局とすると、「どの音声が誰向けのものか分からない…」となってしまい、通話できませんね。
そこで各携帯電話は、自分が送るデータに符号をつけて識別できるようにしたうえで送信するという伝送を実現しています。
信号ごとに符号を付けことでて信号毎の識別が可能なため、携帯電話のような不特定多数の端末との無線通信でよく使われる方式です。
ちなみに、自分が利用していない他の回線の信号は符号が異なるので雑音として処理されます。
空間分割多重化
昨今、話題になっている5Gを利用したネットワークでの活用が期待される、大量のデータを並列に扱って、受信時にも高速に並べ戻し、スムーズな画面遷移等を実現します。
前項の「符号分割方式」までは、「いかに一つの回線・周波数で多くのデータを取り扱うか」に焦点を当ててきました。
しかし、今後広まっていくであろう高速通信網・5Gは、これまで以上に大量のデータが短時間でやり取りされるため、単一回線で処理しきるのはもう難しいことが分かっている。
参考:ソフトバンクの5G活用
ならば、回線は複数にして並列送信になってしまっても良いから、受信したときに齟齬の無く、スムーズに表示や描画できるようにしよう。そのための演算処理etcを充実させた回線を用意しようということで生まれた技術です。
クラウド全盛の時代に、こういった知識は不要となってしまった?
仮にあなたがアプリケーションエンジニアであり、一次発注者の方と顔を合わせることが無ければ、こういった知識は不要でしょう。
しかし、ソフトウェアやプログラムがマウスのドラッグ&ドロップで作成できる時代になった今、そういった「あとよろしく」的なエンジニアは淘汰されていくでしょう。
多くの顧客が求めているのは、「多少のトラブルを抱えながらも、ハイレベルはソリューションプロジェクトを無事にソフトランディングさせ、実業務で使えるようにしてほしい」です。
いかに素晴らしいアプリを作っても、動かなければただの文字列です。
伝送方式の記事の最後にも書きましたが、現場でトラブルシューティングできるというのは何にも代えがたいスキルです。
是非、身に付けておきましょう!
それでは、Tchau◎
こじろう