こんにちは、こじろうです。
別記事でインターネット上の情報のやり取りは7つのステップに分かれていて、そのうち上から3つ目の”ネットワーク”層ではインターネット上で経路選択がなされているという紹介しました。
この記事では、文系SEの方々やITビギナーの方々向けに具体的にどのような流れでこの”経路選択”がどのようになされているか紹介していきたいと思います。
【この記事でわかること】
- ルーティングとは何か?
- 具体的にはどんな仕組みなの?
- ルーティングの知識ってどこで役立つの?
内部同士での経路設定と、外部との経路設定、2種類ある。
IGP
AS内で内部で利用、RIPとOSPFをサポートしています。
EGP
AS同士間で利用され、BGP-4、CIDRをサポートしています。
TCPのユニキャストで情報を交換し、TCPの高信頼性の特性を活かし、長距離のルータ間で安定したルート情報交換が可能となります。
参考:【ダイナミック・ルーティング】RIPとOSPFとBGPの違いや使い分け、設計パターン〜
こちらは、管理者が異なるネットワーク間を連携する際によく採用されるルーティングプロトコルになります。
IGPは更に細かい
ディスタンスベクタ方式
宛先までの距離が最短(最も短いネットワークアドレスを経由)になるようにルーティングテーブルを構成していきます。
- RIP-1:ルータへの負荷が軽い
- RIP-2:RIP-1から加わった機能は…複数ネットワークに対応、宛先はマルチキャスト、認証機能有り、ルートテーブルは30秒ごとに自動更新
デメリットとしては…
- 経路情報の処理に時間がかかる
- ホップ数の上限が15のため、大規模ネットワークでは利用が困難
- メトリック数としてホップ数のみを見るため、回線速度の遅い経路が選択される可能性がある
リンクステート方式
コスト値でルーティングテーブルを作成する方法です。
RIP(ディスタンスベクタ型)では、ルーティング・ループが発生してしまうという懸念があります。この根本的な原因は『ルータが、隣のルータから、さらに奥にあるルータの噂を聞くだけ』で、ルータ自身が全体像を把握していない点にありました。
OSPFではこの弱点を克服すべく、伝える情報に『各ルータがどの速度(コスト)で接続されているか』を含めており、この情報を元に、全てのルータが共通の『ルートの全体像を記載した詳細地図』を作っていきます。
その代償としてCPUやメモリの負荷はRIPに比べて大きくなります。
【OSPF】
参考:ネットワークのおべんきょしませんか?-OSPF Helloパケット-
- ホップ数の上限なし
- 経路情報の収集に時間がかからない
- 回線速度の遅い経路には高コスト値を設定することで、そのリンクを非常時以外使わないよう設定することができる
- ネットワークアドレスの長さが異なるN/W間で経路選択ができる
- ルートテーブルはネットワーク構成に変更があった場合のみに更新
- ルーターへの負荷は高い。
クラウド全盛の時代に、こういった知識は不要となった?
単にシステムや環境を用意するだけなら、特にクラウドを利用する場合は、ほとんど意識しなくとも良い時代になってきたと思います。一方で、大陸をまたいでIoTプラットフォームを構築するだとか、国ごとにパフォーマンスの際が出ないようにしたい、といった規模の大きい案件になると、こういった知識が無いといざパフォーマンスが出なかった時に倉アイン途へ状況の説明、仮説、対処方法を話すことができません。
参考:Gigagine-「.com」や「.net」などのトップレベルドメインによってウェブサイトへの接続にかかる時間はどれくらい違うのか?
ルーティングテーブルを理解できた僕の現在
ITコンサルタントとしての現場において、プロジェクト内でセキュリティやシステムインフラ設計において最も頼られる存在になり、安定した案件・プロジェクトアサインが実現できるようになりました。
参考:コンサルファームでアベイラブルになったら
文系SEであっても、こういった知識があると一目置かれた存在になれますし、キャリアアップの一助になります。
実際、僕はプログラマ➡SE(ネットワークエンジニア)➡ITコンサルタントとキャリアップしてきましたが、ITコンサルタントとして活動している今も本記事の様な技術的な部分を大事にしているため、’他のコンサルタントとは差別化された人材になれているな’と感じています。
本記事は技術的な内容でしたが、キャリアに関する情報をお探しの方はこちらも是非、ご覧ください。
参考:【文系 SE】ネットワークエンジニアのすすめ
それでは、Tchau◎
こじろう
※冒頭の写真は實悠希さんによる写真ACからの写真でした。