ネットワークスペシャリストーMACアドレス

こんにちは、こじろうです。

別記事でインターネット上の情報のやり取りは7つのステップに分かれていて、3層目:ネットワーク層ではインターネット上で情報をやり取りする際の住所情報(IPアドレス)を設定しているを紹介しました。

IPアドレス=住所で間違いないのですが、実際に郵便活動をしようとすると、”その住所に住んでいるどなた宛てのものなのか”、つまり宛名が明らかでない郵便物は正確には送達されません。

インターネットの世界において、この宛名を設定するのが、7つのステップの中の2層目:データリンク層であり、具体的には”MACアドレス”というアドレス情報に宛名情報を設定しています。

この記事では、文系SEの方々やITビギナーの方々向けに、このMACアドレスについて紹介していきたいと思います。

【この記事でわかること】

  1. MACアドレスとは何か?
  2. 具体的にはどんな仕組みなの?
  3. MACアドレスの知識ってどこで役立つの?

データ送付の宛先設定として、IPアドレスだけでは不十分

上記の通り、IPアドレスは”住所情報”ではるものの、宛名情報の記載はないのです。

自宅に郵便便物が届いたら、自宅の誰宛なのか書いてありますよね?

父向けなのか母向けなのか、または自分向けなのか…

機器が製造された段階で設定されている製造番号のようなもの

MACアドレスは12桁の英数字なのですが、それぞれのPCやスマホが製造される際に、各メーカー・製造者が設定しています。

もちろん、みなさんのPCにも設定されていますよ!広島大学のメディア教育情報センターのWebサイトに確認方法があるので、是非、ご自身でも確認してみてください。

参考:MACアドレスの確認方法@広島大学のメディア教育情報センター

IPアドレスは利用するWi-Fi次第で変わるがMACアドレスは変わらない

理解を深めるために、引っ越しをした時のことを考えてみましょう。

この場合の引っ越しとは、PCやスマホが接続するWi-Fiを切り替えてIPアドレスを変更することとします。

繋ぐWi-Fiが変わったら、紐づけられるIPアドレスも変わります。

参考:IPアドレスは各プロバイダや携帯会社が、端末一つ一つに設定してくれている

一方、MACアドレスはどうでしょうか?

Wi-Fiが変わっても機器ごとに固有の値が製造時から設定されるMACアドレスは変わることがありません。

みなさんも引っ越すと住所は変わりますが、皆さん自身の名前は変わったりしませんよね?

自分のPCやスマホのMACアドレスはいつだれがどこで設定したのか…

IPアドレスが住所情報であり、電子データはIPアドレス目掛けて送信されていくわけですが、物理的に直接宛先に到達できることが分かったら(現実でいうところの、送付先の住所に一番近い郵便局までたどり着いたら)、そのデータは送信先のMACアドレスを目指してデータを送付します。

IPアドレスって、最終目的地なんですが、途中でどこの郵便局を経由したらいいかは書いてないんですよね。

東京から兵庫県の明石市にデータを送ろうとしたら、まずは大阪郵便局に送って、その後兵庫郵便局を渡り、その後明石郵便局を経て、宛先まで届く。

しかし、IPアドレス情報からは中継地の大阪・兵庫の郵便局の宛先情報は無い…

東京の郵便局からすると、自分のとこの局員に直接明石市まで行かせるのは非効率的なので、普段から”近畿地方への郵便物は、一旦全て大阪郵便局へ送ってしまおう”と決めています。(これをブロードキャストといいます。)

参考:ブロードキャスト

その際、送信データは大阪郵便局のIPアドレスではなく、MACアドレスを頼りに大阪郵便局を目指すのです。(大阪郵便局➡明石市郵便局、明石郵便局➡最終目的地も同様)

この辺の話は、cironagaさんのQuitaのブログが非常にわかりやすいので、こちらも是非ご覧ください。

参考:MACアドレスとIPアドレスの違い

IPアドレスだけで良くない?

管理できないから無理

MAC アドレスは基本的に 端末やデバイス(PC やスマホ等)に紐付きます。

ちなみに僕のPCのMACアドレスはこちらです。

12桁のMAC アドレスの前半 3 byte は IEEE (アメリカに本部がある電気・情報工学分野の学術研究団体、技術標準化機関、IT技術に関して、仕様が各メーカー毎に乱立して消費者が”どれがいいのか分からない!”といったことが起きないように、色々な研究・取りまとめをしてくれています。)が管理し、各メーカーに払い出します。

メーカーは MAC アドレス後半 3 byte を自由に割り振って出荷します。

参考:各電気機器メーカーが設定できるMACアドレス(後半3byte)一覧

各メーカーのデバイスは色々な人や組織に購入され、世界中に点在します。

それに対し、IP アドレスは場所に紐付きます。

(ポケットWi-Fiについて、ポケットWi-Fiそれ自体はどこへでも運べるので場所の特定は不可能ですが、Pocket Wi-Fiが接続する基地局は特定できますね。詳細はこのブログのネットワーク~多重化~の記事をご覧ください)

参考:【文系SE】ネットワーク~多重化~

また、プライベート IP アドレスであれば組織のNW管理者が設計し、設定します。なので、IP は場所を示しており、宛先 IP アドレスによって通信先を決めているのです。

MAC アドレスではそれは実現できません。

どの場所にどの MAC アドレス(PCや端末)があるかを把握するのは、現実的に不可能ですよね

それもあって、デバイス・端末といった機器の固有の情報はIPアドレスではなく、別の判断要素であるMACアドレスを用意して特定・管理するルールとなっているのです。

参考:MACアドレスとIPアドレス、なぜ両方必要か

クラウド全盛の時代に、こういった知識は不要となってしまった?

正直、ITの内容というよりは電気機器メーカーの方が勉強する内容かもしれません。

そのため、その辺の知識を積極的に学ぶ人は少ないでしょう。

それだけに、周りに差をつけるにはうってつけの分野ですし、トラブルが起きた時の原因究明で非常に役に立つ知識です。

僕もよく経験した話なのですが、システムが出来上がり、いざお客さんの業務現場に赴き、対象のサーバへソフトウェアインストール、したけど動かない。。データが連携されないetc…なぜだ!?

「できたって言ってたじゃないか!納期遅れは許さんからな!」みたいに恫喝されて10分後くらいに、契約外のネットワーク設定が間違っていた…ってなことがしばしばあります。

強烈な営業向きスキルではありませんが、いざというとき自分の身を助けてくれる頼りになる知識です。

 

 

 

それでは、Tchau◎

こじろう

※冒頭の写真はTicTacさんによる写真ACからの写真でした。

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