こんにちは、こじろうです。
この記事では、N/Wスペシャリスト平成24年午後Ⅰ問2に挑戦していきたいと思います。
別記事のネットワークエンジニアのススメでも紹介しましたが、文系SEからすると、システムエンジニアよりもネットワークエンジニアになった方が良いキャリアを築けます。
僕自身も、プログラマ➡システムエンジニア➡ITコンサルタントとキャリアチェンジしてきましたが、一番役に立っている知識はネットワークエンジニア時代のスキルや経験です。なぜなら、昨今システム業界では利用するのが当たり前になってきたクラウドに関する知識・スキルは、大半がネットワークエンジニアの業務と重なるためです。
ITコンサルタントになってからも、折に触れてネットワークエンジニアとして活動し、成果を出し、クライアントの=からの信頼をつかみ続けてきています。
文系SEのみなさまにも是非、ネットワークの知識を蓄えて頂きたく、本記事ではIPAが主催しているネットワークエンジニアの資格試験について、僕なりの解答方法と、IPAが公表している模範解答を紹介していきたいと思います。
【この記事でわかること】
- N/Wスペシャリストの問題を解く上で持つべき考え方
- 平成24年午後Ⅰ問2における各設問の考え方
- 1 設問を解き始める前の前提
- 2 問題文を読みながら僕が考えていった内容
- 3 PoEは、IEEE[空欄ア]afとして規格化されており…
- 4 [空欄イ]は、機器が接続されると[空欄ウ]に対応している機器かどうかチェックする…
- 5 1,2,3,6番以外の[空欄エ]番のピンを給電に使用するAlternative B方式…
- 6 各ポートに30Wの電力を供給できる[空欄オ]という規格がある
- 7 設問1⑵:図2 L2SWに4台目、5台目のAPを追加…
- 8 設問2⑴:図3のモードB動作時のデータ用通信の流れ…
- 9 設問2⑵:モードAで動作中にWLCが動作を停止した場合、無線LAN使用中のPCはどうなるか。データの流れに注目して…
- 10 設問2⑶:設問2⑵のPCは再認証が必要な場合がある…
- 11 設問3⑴:WLCをモードBで動かす場合、冗長化構成が必要となる理由…
- 12 設問3⑵:WLCをモードBで動作させ、本社のAPも含めて一元管理する場合に、当初B君が計画した構成に対して検討を加えるべき性能要件がある…
- 13 設問3⑶:WLCをBCに設置する場合の問題点…
- 14 設問3⑷:WLCをDCに設置することで、どのような問題が解決できるか…
- 15 ネットワークの勉強をして良かったなーと思うこと
設問を解き始める前の前提
詳細は以下の記事を読んで頂きたいのですが、過去問に挑戦する前に頭に入れておいて欲しいことが2つあります。参考:【文系SE】ネットワークスペシャリストー解答時のフレームワークー
- 問題文を読みつつ設問を推測する。(設問を読んでから考えていては間に合わない)
- 問題文を読んでいく中で「これ、聞かれるだろうな」と推測する。
それでは、いってみましょう!!😃
問題文を読みながら僕が考えていった内容
PoEは、IEEE[空欄ア]afとして規格化されており…
設問1⑴ですが、無線LANの規格の情報を知らないと解答は難しいと思われます。
参考:IEEE802.11
模範解答は’802.11’でした。
[空欄イ]は、機器が接続されると[空欄ウ]に対応している機器かどうかチェックする…
※更新中
設問1⑴ですが、
模範解答は
イ:PSE
ウ:PoE
でした。
1,2,3,6番以外の[空欄エ]番のピンを給電に使用するAlternative B方式…
※更新中
設問1⑴ですが、
模範解答は’4,5,7,8’でした。
各ポートに30Wの電力を供給できる[空欄オ]という規格がある
※更新中
設問1⑴ですが、
模範解答は’IEEE802.11at’でした。
設問1⑵:図2 L2SWに4台目、5台目のAPを追加…
ネットワーク機器は、適当につないでも動きません。(動く時もあるけど)
問題文P.7の…
- (空欄ウの直後)’装置全体では56Wの供給能力を持ち…’
- ‘[空欄オ]という規格もあるが、導入予定のAPの最大消費量は12Wなので…’
- (下から4行目)’APの接続は物理的に重ねた上段のL2SWから順に、そのL2SWの供給能力の限界まで行う…’
- (下から3行目)’各L2SWでは、8番目のポートから降順に接続し…’
上記①②から、一つのL2SWに6本以上LANケーブルを差すと供給電力量が12W×5(本)=60(W)と計算できます。一方、こうなると①に記載の最大供給量を越えてしまい、③の’供給限界まで…’という要件を満たせなくなります。そのため、一つのL2SWには4本までしかLANケーブルは差せません。
更に④からLANケーブルは8番から降順に差していくので、AP4は一番上のL2SWの5番へ差し、AP5は上から2つ目のL2SWの8番へ差すことになります。
また、この設問ではL2SW同士のスタック接続についても問われています。スタック接続についての要件・制約を問題文から確認すると、
以上の記載から、3つのL2SWがそれぞれoutポートとinポートが接続することが解答となります。
設問2⑴:図3のモードB動作時のデータ用通信の流れ…
WLCを導入した際に、PCから広域網を越えてDC内のL3SW2へどの機器を通ってデータが行き渡るかを問われています。
問題文の[WLCの動作モード]の➁に、'(WLCは)制御用通信だけでなく、データ用通信も含めた全ての通信がトンネルを利用する。’という記載がありますね。
これはつまり’L3SW1からすぐに広域イーサネットへデータを送るのではなく、WLCに一度寄って、またL3SW1に戻ってから広域イーサネットへ飛んでいく’ことを意味しています。
設問2⑵:モードAで動作中にWLCが動作を停止した場合、無線LAN使用中のPCはどうなるか。データの流れに注目して…
データの流れに注目すると、モードAについてはデータ用通信はWLCを通過していませんね。
あくまで認証と設定変更の際にのみ、WLCは利用されます。
模範解答は’データ用通信はWLCを通過していないので影響はない’でした。
設問2⑶:設問2⑵のPCは再認証が必要な場合がある…
※更新中
問題文にもある通り、WLCは認証機能を司っています。
一度ネットワークへアクセスして、その後WLCが故障した場合、そのまま利用してデータ通信するには問題ありません。
しかし、何らかの理由で、例えばPCの電源を切るなどしてAPへのコネクションが切断&再度APへアクセスしようとする時や、フロアを移動して別のAPを経由してネットワークへアクセスしようとすると、WLCが壊れていて認証機能が稼働していないため、ネットワークへアクセスできません。
模範解答は
・PC再起動
・ローミング
でした。
設問3⑴:WLCをモードBで動かす場合、冗長化構成が必要となる理由…
設問2でも触れましたが、モードBでは、WLCもデータ通信に絡むため、WLCが壊れるとデータ通信ができなくなります。そのため、WLCを冗長化し、可能性を担保しておく必要があると考えられます。
模範解答は’WLCの障害時、無線LAN経由での通信ができなくなるから’でした。
設問3⑵:WLCをモードBで動作させ、本社のAPも含めて一元管理する場合に、当初B君が計画した構成に対して検討を加えるべき性能要件がある…
性能に関する設問なので、データのやり取りのスピードに関わる内容が解答となりそうです。
‘当初計画した~’とあるので、問題文を最初からもう一度確認してみると、解答における要件や制約に性能が絡む部分はありません。
こうなると、一般的なネットワーク設計における常識・お作法から解答するしかありません。つまり、RASISの観点(可用性-Availability)から考えていきます。
模範解答は
・WLCの処理能力
・広域イーサ網の帯域
でした。
設問3⑶:WLCをBCに設置する場合の問題点…
本社側も同様のネットワーク構成とするわけなので、どちらも確認できる構成としなければなりません。
仮にBCにWLCをおいてもデータのやり取りは可能ですが、本社内のデータのやり取りも、いちいちBCを経緯しなければならなくなります。
ということで、’すべての通信がBCを通過しなければならない’と解答を書いてしまうと駄目で、問題点は’RASIS’に絡めて書きましょう。
模範解答は’本社無線の通信もBCを経由し、BCの広域イーサ網の通信量が増加する’でした。
設問3⑷:WLCをDCに設置することで、どのような問題が解決できるか…
設問3⑶の続きですが、こういった「解決」系の問題は、「解決」「改善」「メリット」といったワードが来たら、変更前後(もしくは設計反映前後)のデータの流れを確認し、問題文に記載の要件・制約がどのように実現されたか確認すします。
WLCをBCに配置した時のデータの流れは、設問3(3)で書いた通り、本社からの通信が直接目的地に届くパターンと、回り道してしまうパターンの2つでした。
模範解答は’本社からDCへの通信がBCを経由しないで済む’でした。
ネットワークの勉強をして良かったなーと思うこと
ITコンサルタントとしての現場において、プロジェクト内でトラブルシューティングやシステムインフラ設計において最も頼られる存在になり、安定した案件・プロジェクトアサインが実現できるようになりました。
参考:コンサルファームでアベイラブルになったら
文系SEであっても、こういった知識があると一目置かれた存在になれますし、キャリアアップの一助になります。
実際、僕はプログラマ➡SE(ネットワークエンジニア)➡ITコンサルタントとキャリアップしてきましたが、ITコンサルタントとして活動している今も本記事の様な技術的な部分を大事にしているため、’他のコンサルタントとは差別化された人材になれているな’と感じています。
本記事は技術的な内容でしたが、キャリアに関する情報をお探しの方はこちらも是非、ご覧ください。
参考:【文系 SE】ネットワークエンジニアのすすめ
それでは、Tchau◎
こじろう